3拍7連(7:3)という言葉を、聞いたことはあるでしょうか。3拍の中に7つの音を等間隔で入れる、というリズムです。
数字だけを見ると難しく感じますが、7連符を3音ずつ区切るだけで、このリズムは自然に現れます。今回は、その仕組みと、思いついてウォームアップに取り入れている練習を紹介します。
Today's Warm-Upとは
Today's Warm-Upは、私が思いついた練習アイデアをシェアするための企画です。
難易度は、比較的高いものが多くなっています。私自身のレベルを上げるために取り組んでいる練習だからです。
目的は、「コーディネーションの向上」や「リズムの解像度を上げる」といった言葉そのものではなく、演奏能力を高めることです。短時間で取り組めるアイデアなので、覚えるのが難しくなるような内容にはしていません。
このウォームアップで見ていること
うまくいかないとき、私が見るのは次のような点です。
- フォーカスが偏っている
- イメージできていない
- 余計に緊張している
つまり、「できない状態で取り組んでしまっている」ということです。
このウォームアップそのものが大事なのではありません。取り組みを通して、自分を観察していると考えています。
構造の分析と、リズムとして捉えること
ここで扱うポリリズムや奇数連符は、アレクサンダー・テクニークをもとにした、私の独自メソッドから成り立っています。
楽譜でリズムの構造を分析することも、学習のひとつです。ただ、私が大切だと考えているのは、
リズムをリズムとして捉える力
を身につけることです。
以下の解説は構造を整理するためのもので、練習の中心は、動画のリズムを聞きながら演奏することです。
練習の流れ
動画では、次の順番で切り替えています。
- 7連を3音ずつ区切る
- 3拍7連のネスト(7:3)
- 4連へのサブディビジョンチェンジ
- パラディドルのスティッキング(RLRR LRLL)
3拍7連(7:3)とは何か
3拍7連とは、3拍の長さの中に、7つの音を等間隔で入れるリズムです。
3拍を7等分するので、音と音の間隔は、1拍の3/7になります。
7連符を3音ずつ区切ると、3拍7連になる
3拍7連は、7連符(1拍に7音)から取り出すことができます。
- 7連符は、1拍に7音です。3拍では21音になります。
- この21音を、3音ずつ区切ります。区切りは、全部で7つできます。
- 区切りの頭は、0音目、3音目、6音目、9音目……と進みます。区切りの頭が拍頭に戻ってくるのは、21音目、つまり3拍後です。
- この区切りの頭だけを発音すると、3拍に7音が等間隔で並びます。これが3拍7連(7:3)です。
3/4拍子で演奏しているので、拍頭と重なるのは、1拍目の最初の1音だけです。残りの6音は、すべて拍の途中に入ります。
区切りの間には、入れ子の3連が入っている
7連符を3音ずつ区切っているので、区切りと区切りの間には、7連符の音が3つ並んでいます。
3拍7連を土台に捉えると、区切りの間には入れ子の3連が入っている、ということになります。これは、連符の中に連符を入れる『入れ子連符』と同じ構造です。
入れ子連符の仕組みは、入れ子連符(Nested Tuplets)の記事で解説しています。
3連を4連に切り替える
動画の後半では、この入れ子の3連を、4連(16分音符)に切り替えます。
区切りの間に入る音が、3つから4つに増えます。3拍あたりの音数は、21音から28音になります。
区切りの位置は変わりません。変わるのは、区切りの間を何分割するかだけです。
3連から4連に切り替えるときは、ネストそのもののリズム、つまり3拍7連を軸にしています。区切りの間の音数を数えるのではなく、土台になっている7:3のリズムを聞き続けたまま、その間に入る音だけを入れ替えるという取り組み方です。
パラディドルのスティッキング(RLRR LRLL)は、この4連の上で演奏しています。スティッキングは、パラディドルでなくても成立します。ほかのスティッキングでも取り組めます。パラディドルについては、パラディドル系ルーディメンツで解説しています。
練習するときは
サブディビジョンを切り替える練習には、Subdivision Changerが使えます。拍ごとにサブディビジョンが切り替わるので、3連から4連への切り替えを耳で確かめながら取り組めます。
教材では、STICK FLOW Vol.2のサブディビジョンのセクションで、偶数連符と奇数連符の切り替えを扱っています。
関連するウォームアップ
Today's Warm-Up の一覧から、ほかの動画も見られます。
こうしたリズムの話は、書籍『アレクサンダー・テクニーク+ドラム』でも触れています。

