ルーディメンツとは、PAS(Percussive Arts Society)が体系化した40種類の基本手法の総称です。ドラマーにとってのルーディメンツは、音楽家にとっての「語彙」に相当します。語彙が増えるほど表現できるフレーズが広がるように、ルーディメンツを習得するほど演奏の可能性が広がります。
なぜルーディメンツを学ぶのか
ルーディメンツはパッドやスネアで練習する「手だけの技法」と思われがちですが、本質は違います。
ルーディメンツとは、スティッキングのパターンと、その中に内包されるアクセント・タイミング・強弱のコントロールを、体系的に習得するための練習体系です。
Basic 4 Stroke・サブディビジョン・ダブルストローク——これらの基礎が合わさったとき、ルーディメンツは「単なる練習」から「音楽的な表現の道具」へと変わります。
6つのカテゴリ
シングル系
シングルストロークを発展させた技法。速さと方向性のコントロールを扱います。シングルストロークロール・シングルストローク4・シングルストローク7など。
ダブル(ロール)系
ダブルストロークを基礎にした連打・ロール技法。5ストロークロールから17ストロークロールまで段階的に習得します。速いパッセージや滑らかな連打に不可欠なカテゴリです。
パラディドル系
シングルとダブルを組み合わせたパターン。シングル・ダブル・トリプルパラディドルなど4種。フィルインや複雑なグルーヴの基盤となる最重要カテゴリのひとつです。
フラム系
装飾音符(フラム)を使う技法群。グルーヴの表情や太さを生み出す表現力の高いカテゴリです。11種類を収録。
ドラッグ系
2音の装飾音符(ドラッグ)を使う技法群。フラムより密度の高い装飾が特徴で、ダイナミクス表現の幅が広がります。9種類を収録。
ラタマキュー系
ドラッグを含む複合パターン。シングル・ダブル・トリプルラタマキューなど6種。ドラッグ系の応用として位置づけられます。
学習の順序
シングル系(基礎確認)
↓
ダブル(ロール)系(速さと連打)
↓
パラディドル系(シングル+ダブルの統合)
↓
フラム系(装飾音の感覚)
↓
ドラッグ系(装飾音の応用)
↓
ラタマキュー系(複合パターン)
ただし、順番通りに完全習得してから次へ進む必要はありません。パラディドルとフラムを並行して練習するのも有効です。
教材リンク
STICK FLOW Vol.2
アクセント・サブディビジョン・ダブルストロークを通じてルーディメンツの土台を作る初〜中級者向けワークブック。
アレクサンダー・テクニーク+ドラム
ルーディメンツの動きを「意図と身体の連動」から捉え直す視点を与えてくれる一冊。
The All American Drummer(Charley Wilcoxon著)
当レッスンでも使用しています。26のアメリカンルーディメンツを収録した定番教材。


