「テンポがずれる」「グルーヴが出ない」という悩みの多くは、サブディビジョンの感覚が身についていないことが原因です。サブディビジョンは地味に見えて、ドラマーの土台を作る最重要トレーニングです。
サブディビジョンとは
「一定のテンポの中で、音符の細かさを切り替える練習」です。日本では チェンジアップ とも呼ばれています。
たとえばBPM80のメトロノームを流しながら:
- 4分音符で叩く(1小節に4打)
- 8分音符で叩く(1小節に8打)
- 16分音符で叩く(1小節に16打)
- 8分3連符で叩く(1小節に12打)
…と切り替えていく練習です。テンポは変えず、音符の密度だけを変えるところがポイントです。
カウンティング:各分割の数え方
サブディビジョンを練習するには、まず各音符の声に出した数え方を覚えることが近道です。

上の図のように、口で言いながら手を動かすと、頭と身体が同時に覚えられます。
4分音符
1小節に4打。拍の頭(ダウンビート)だけを打ちます。
8分音符
「エン」が裏拍(アップビート)です。↓がダウン、↑がアップの腕の動き。
8分3連符
3連符は「ワン・エン・ダ」の3音で1拍を分割します。
16分音符
1拍を4分割。「ワン・イ・エン・ダ」で覚えましょう。
練習法:まずメトロノームなしで声だけ出す。次にメトロノームを鳴らして声を合わせる。最後に声を出しながら手を動かす。この3ステップが定着への近道です。
※ スピーカーでご使用の場合はマナーモードを解除してください
LESSON 1:4分と8分の切り替え

4分音符と8分音符を切れ目なく切り替えます。
- BPM 60〜80からスタート
- スティッキング:オルタネート(RLRL…)
- 各音符を4小節ずつ叩いてから切り替える
- 切り替えの瞬間にテンポが揺れないよう、メトロノームのクリックを基準に確認する
- 慣れてきたら2小節→1小節と切り替えを短くしていく
LESSON 2:8分と16分の切り替え

8分音符と16分音符を切り替えます。
16分音符を叩くとき、3つ目の音が8分音符のオフビート(裏拍)に当たることに注目してください。「ワン・イ・エン・ダ」のカウントで言えば「エン」の位置です。この位置感覚が、8分と16分の切り替えをスムーズにする鍵になります。
- BPM 60〜80からスタート
- 切り替えの瞬間、16分の3打目(オフビート)の位置を意識する
- テンポが揺れやすい切り替えの直前・直後に特に注意する
- 声でカウントしながら叩くと位置感覚がつかみやすい
LESSON 3:偶数分割(8分)と奇数分割(3連符)の切り替え

8分音符(1拍を2分割)と8分3連符(1拍を3分割)を切り替えます。
偶数と奇数の分割はリズムの感覚が根本的に異なるため、切り替えの瞬間にテンポが崩れやすいポイントです。メトロノームのクリックに対して各音が正確に収まっているかを確認しながら練習してください。
- BPM 60〜70からスタート
- 3連符のアタマが拍の頭に一致しているかをメトロノームで確認する
- 切り替えで止まらず継続することを目標に、ゆっくりから積み上げる
- 声でカウント(「ワン・エン」「ワン・エン・ダ」)しながら切り替えると混乱しにくい
なぜサブディビジョンが重要か
クリックと「合わせる」ではなく「同調する」
メトロノームに「引っ張られる」感覚がある人は、クリックをゴールとして追いかけている状態です。理想は、自分の中にテンポが存在していて、クリックと同じ場所にいる感覚。
サブディビジョン練習でさまざまな分割を体に覚えさせると、「拍の間に何が起きているか」が明確になり、テンポが安定します。
グルーヴとの関係
グルーヴは「正確なタイミング+微妙な揺れのコントロール」です。揺れをコントロールするには、まず正確な位置を知らなければなりません。サブディビジョンが体に入ると、「どこにノリを出すか」を意図的に選べるようになります。
まとめ
| 分割 | カウント | 1小節の打数 |
|---|---|---|
| 4分音符 | ワン・ツー・スリー・フォー | 4 |
| 8分音符 | ワン・エン・ツー・エン… | 8 |
| 8分3連符 | ワン・エン・ダ・ツー… | 12 |
| 16分音符 | ワン・イ・エン・ダ… | 16 |
毎日の練習の冒頭5分、BPM 70〜80でチェンジアップするだけで、3ヶ月後のタイム感は別物になります。
教材リンク
STICK FLOW Vol.2 — サブディビジョン
チェンジアップを軸にタイム感とグルーヴを体系的に鍛える初〜中級者向けワークブック。
アレクサンダー・テクニーク+ドラム
「クリックと合わせる」から「クリックと同調する」への感覚の変化を身体の使い方から解説した一冊。
STICK CONTROL(George Lawrence Stone著)
当レッスンでも使用しています。シングル・ダブル・ミックスのパターンを体系的に練習できる定番テキスト。
SYNCOPATION(Ted Reed著)
当レッスンでも使用しています。シンコペーションを軸としたリズムトレーニングの名著。


