Drum LIVErary

ドラムを体系的に学ぶオンライン・ライブラリー

サブディビジョン・エクササイズ

サブディビジョン・エクササイズは、一定のテンポの中で音符の細かさを切り替える練習で、日本ではチェンジアップ とも呼ばれています。
 
8分→3連符→16分… のように音符を変えてもビートを正確にキープする力が身に付き、タイム感、リズムの精度、グルーヴの安定性が大きく向上します。
 
EXITドラムレッスンのエクササイズは、
リズムの基礎を体系的に強化できる内容になっています。

サブディビジョン

安定したビート(拍感)で演奏するためには、リズムをどのように細分化(サブディビジョン)しているかを理解することがとても重要です。

音符の名称は、もともと 「1小節をいくつに分けるか」 という概念に基づいており、4つに分ければ4分音符、8つであれば8分音符、16であれば16分音符…というように表現します。

リズムを2次元で考えると、
縦軸=発音のタイミング
横軸(右方向)=音の長さ(音価)を示しています。

たとえば 4分音符 は、次の拍に向かう直前まで音価が続きます。しかし打楽器の音は叩いた瞬間から減衰していく特性があるため、実際の「長さ」を聴覚だけでイメージするのは難しいかもしれません。

そこで、打楽器では「音の長さ」=「時間の長さ」として捉える方が理解しやすくなります。
拍をしっかり感じ、その上でさらに細かく分割していく感覚を身につけることで、リズムの安定性が大きく向上し、演奏そのものがブレにくくなります。

また、音と音の間隔が短くなるということは、リズムの“速度”が上がるということでもあります。下記の図の緑色の文字は、4分音符を基準としたときの“速度の変化”として表記したものです。
 

早見表

なお、3つや5つなど奇数分割する際は「○連符」と表現します。

tuplets

8分音符を3つに分けたり2分音符を3つに分けたりと、指定の音価を分割する場合、8分3連符や2分(2拍)3連・・・などと呼称します。
これらは比率で記されることもあります。(赤文字)

休符について

発音しない拍は休符で表されます。音符と同様に4分休符や8分休符といったようにいいます。

rest

カウンティング

初心者の方によくある悩みに、「何拍叩いたか分からなくなる」「今、何小節目なのか分からない」といったものがあります。
 
これは、拍子を捉えるための 基礎的なリズム感がまだ育っていないことが主な原因です。

まずは 拍子を声に出してカウントする習慣をつけ、拍の流れを意識しながら練習することで、やがて声に出さなくても 拍子感・小節感が自然に身についていきます。

ここでは、そのためのカウント方法を紹介します。
図にある矢印のように、

ダウンビートは「下げ調子」
アップビートは「上げ調子」

で声に出すと、拍の方向性がつかみやすく、リズムの流れを体で理解しやすくなるでしょう。
 

カウント法

 

メトロノームの使い方

メトロノームは、安定した拍感を身につけるために欠かせない大切なツールです。しかし、使用する際には注意点もあります。
 
そのため、このメソッドでは、まずカウントを取りながら練習できることを条件としてからメトロノーム練習に進むようにしています。
 
理由はシンプルで、リズムの基準はメトロノームではなく“演奏者自身”であるべきだからです。クリック音に「合わせにいく」練習は、主体が外に向いてしまい、望ましいリズム感が育ちにくくなります。

まずは自分の中に拍感をしっかり持ち、その拍感とメトロノームを“同調させる”イメージで使ってみましょう。

そうすると、リズムが変化してメトロノームとズレたとき、自分が“速くなっているのか/遅くなっているのか”を即座に察知できるようになり、練習の効率が格段に上がります。

とはいえ、どれだけメトロノームで練習しても、機械のように全くブレない演奏は人間にはできません。限りなく精度を高めることは可能ですが、体調・気分・テンション・お酒を飲んだかどうか…その日の状態で感覚は常に変化します。

しかし、その“揺れ”こそが人間味であり、グルーヴの源でもあります。近年のテンポが完全に揃えられた音源より、ライブ音源の方が躍動感を感じるのはこのためかもしれません。

EDMの制作現場でも、あえてタイミングをズラしたり曖昧にしたりすることで“イイ感じ”のノリを作り出すことがあります。正確性と心地よさのバランスは非常に繊細なのです。

少し話がそれましたが、とはいえ基準のないリズムはさすがに不安定で聴き取りにくいものです。メトロノーム練習は、拍の安定感と一定の正確性を高めるためのとても有効な手段です。

LESSON1

まずは基本的な偶数分割を習得しましょう。
偶数のリズムは人にとって自然なリズム感といわれています。
 
歩行や呼吸、さらには左右や上下、前後など2方向に往復する運動をイメージすると理解しやすいと思います。
 
腕と足も2本ずつですのでドラムを演奏する際も偶数連符は都合がよいのです。
 
今回はオルタネートスティッキングで右手スタートで始めましょう。正しくできていれば8分音符以降の偶数連符は必ず毎拍右手から始まるはずです。小節の切り替わりがスムーズにできるようにしっかり拍感を意識して練習しましょう。
 
BPMは60~180まで様々なテンポで練習しましょう。
 

チェンジアップLv1
 

LESSON2

今度は4分音符から奇数連符にチェンジアップしてみましょう。
 
実際の演奏に使われることも多い3連符を練習していきます。
 
奇数連符をオルタネートスティッキングで演奏すると毎拍のスタートの手順が変わるので気を付けて練習していきましょう。
 
3連符を練習する前にまずは3拍子に慣れていきましょう。
 
先述したとおり、偶数のリズムは慣れ親しんだ感覚でできることが多いですが、3の場合は3角形の軌道で腕を振ってみたり、右足→左足→クラップを繰り返したり、1つ動作を増やすイメージが良いでしょう。その動作をしながら1,2,3/1,2,3や1&a,2&a・・・とカウントしていけば3拍子や3連符の感覚が身についていきます。
 

3連符

 

LESSON3

LESSON3では偶数連符と奇数連符の切り替えを練習していきます。
共通リズムが4分音符のみで、偶数と奇数では根本的にリズム感が異なるので難易度が上がります。メトロノームを指針にしながら丁寧に練習していきましょう。

偶数と奇数

STICK FLOW Vol2

アクセント、サブディビジョン、ダブルストロークはSTICK FLOW Vol2に収録されています。
 
 
 
 
 
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LESSON1~3が習得できればこの教則本の16~19ページを練習してみましょう。8分音符と3連符などの切り替えの練習に役立ちます。