コーディネーション
コーディネーション(Coordination)とは、手足を独立して動かしながら正確なリズムを生み出すためのトレーニングです。ドラム演奏は両手・両足を同時に使うため、それぞれが違うパターンを叩いていても リズム全体がひとつにまとまる感覚 が必要になります。
基礎的なスティッキングやダブルストロークが身についたら、次のステップとしてコーディネーションを鍛えることで、
ビートの安定
リズムの立体感
フレーズの自由度
ジャンル対応力(ジャズ、ファンク、ラテンなど)
が大きく向上します。
難しく感じるかもしれませんが、正しい順序で練習すれば 誰でも確実に手足の独立性(Independence)を強化できます。コーディネーションは、ドラマーとしての表現力を大きく広げる重要なステップです。
リニア・ドラミング
リニアとは「直線的、線状の」という意味で楽譜にすると手足の音符が横並び、つまりタイミングが重ならないことを指します。
タイミングが重ならないため順番さえ覚えてしまえば習得しやすく、慣れればスピードアップも可能になります。
ツインペダルを用いた高速コンビネーションはロックやメタルなどのドラミングでよく耳にすると思いますし、ファンク、フュージョンなど16分主体のリズムパターンでもこのアプローチはよく出てきます。
ゴスペルチョップスなどでよく耳にするテクニカルなアプローチもこのテクニックが土台になっていることが多いです。音量やタイミングが均一になるように正確に練習していきましょう。
スネアドラム&バスドラム・コンビネーション
ハイハットやライドなど、右手で一定のリズムを刻みながら左手のスネアドラム、右足のバスドラムで様々なフレーズを演奏する練習です。
Fat Backと同様に現代のドラミングには欠かせないテクニックになりますのでしっかり練習していきましょう。ジャズドラミングでのコンピングの練習にもなります。
オスティナート
オスティナートとはリズムパターンを繰り返すことを指します。なのでアンサンブルではリズムキープを担当するドラム演奏はほとんど何かしらオスティナートしています。
例えば右手で8分音符を刻み続けていたり、2拍&4拍で必ずスネアドラムを叩いたり、バスドラムを4分音符で鳴らし続けていたり。
一定のリズムパターンが繰り返されることでノリが生まれ共演者や聴衆を心地よくさせるのですが、フットワークのリズムパターンを維持しながら手を自由に動かすことができるとノリを維持しながら様々なフレーズが演奏できるようになります。ドラムソロや手数の多いドラミングで役立つテクニックです。
オスティナートのコツは「自動化」にあります。普段歩くときに「右足、左足・・・」と意識しながら動いていません。逆にその動きを意識してしまうとなんとなくぎこちなかったり機械的になってしまいますよね。
まずはリズムパターンを演奏しながらノリを感じて、その音を聞きながらフレーズを歌う練習から始めてみましょう。
LESSON1
LESSON2
手足が重ならないコンビネーション、リニアフレーズの練習です。
フロアタムとバスドラムでやると音程が近いため綺麗に音粒やタイミングがそろっているか判断しやすいです。電子ドラムのパッド音だけで練習するのもおすすめです。
LESSON3
足のオスティナートの練習です。チェンジアップやアクセントコントロールなどの基礎練をそれぞれの足のパターンでキープしながら取り組んでみましょう。
おススメの教則本
TIME FUNCTIONING PATTERNS
前半のファットバックエクササイズは、フットワークの基礎練習としてとても優れた教材です。ロック、ポップス、ファンクなど様々なジャンルに必要なフットワークのテクニックが1ページに集約されています。中盤はジャズドラマーのための手足のエクササイズ、四肢の独立を進めるための練習、リニアフレーズの練習など、手足のコンビネーションをレベルアップさせていくための様々な練習方法が記載されています。たくさんのリズムパターンやフレーズを練習するよりも合理的にテクニックを身に着けることができます。