「グルーヴがいいね」「グルーヴしてないな」
演奏の現場でよく飛び交う言葉ですが、「では、グルーヴとは何ですか?」と聞かれると、答えに詰まる方は多いのではないでしょうか。
ノリ、うねり、タメ、心地よさ。人によって指しているものが違うので、議論もすれ違いがちです。
「グルーヴしている・していない」は、何が違うのでしょうか。この記事では、レッスンで生徒さんに投げかけている問いをたどりながら、グルーヴという言葉を捉え直します。私の考え方であって唯一の正解ではありませんが、演奏を観察するための足場としては使いやすい見方だと思っています。
グルーヴとは何か
先に結論から書きます。私は、グルーヴを次のように考えています。
グルーヴ=すでに在るもの。周期的なものにノリを感じ、それに合わせる能力。
少し抽象的なので、レッスンでの会話に沿って説明します。
この記事では、グルーヴを「音の性質」ではなく、人が元から持っている「周期的なものに自分を合わせにいく能力」として捉えます。そして、演奏がその能力をどう引き出すのか、という視点で整理していきます。
リズムから連想するもの
レッスンでリズムを説明するとき、最初にこう問いかけます。
「リズムという言葉から、何を連想しますか?」
いろいろな答えが返ってきますが、そこには共通する性質があります。
『規則的に反復される』ということです。
「生活リズム」という言葉も、まさにそうです。毎日同じ時間に起きて、同じ時間に食事をする。規則的に繰り返されているから、私たちはそれをリズムと呼んでいます。
規則的に反復すると、何ができるのか
では、規則的・周期的に反復していると、何ができるようになるでしょうか。
答えは『予測』です。
朝7時に起きる生活が続いていれば、自然と7時頃に目覚めるでしょう。電車が5分おきに来るとわかっていれば、ホームに着くタイミングを合わせられます。
もっと身近な例が、じゃんけんです。
「最初はグー、じゃんけん、ぽん」で、お互いに手を出すタイミングが合うのはなぜでしょうか。
掛け声の間隔やその抑揚から、次の「ぽん」がいつ来るかを、お互いに予測しているからです。予測できる能力があるから、タイミングを合わせられる。
有料部分では、奇数連符やポリリズムなど複雑なリズムも深く研究してきた講師が、アレクサンダー・テクニークの見地をもとに、グルーヴの捉え方を提案します。
続きを読み込んでいます…