ポピュラーミュージックには様々なジャンルがあります。ドラムのビートパターンはその音楽の歴史とともに発展してきました。この記事では代表的なパターンを参考曲と合わせて紹介していきます。
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ドラムセットの誕生
1909年、Ludwig社がバスドラムペダルの特許を取得。それまで複数人で担当していたパーカッションを一人で演奏できるようになり、「ドラムセット」として発展していきます。その後ジャズとともにスネア・シンバル・タムが加わり、1930年代にはハイハットが誕生して現代の形が整いました。
Jazz
2Beat・4Beat(ビッグバンドジャズ)
ビッグバンドが全盛だった1930〜40年代、ジャズはダンスミュージックでした。ライドシンバルでスウィングを刻み、バスドラとスネアでビートを支えるスタイルが確立されます。
2Beat — バスドラを1・3拍に、スネアを2・4拍に置くシンプルなパターン。

4Beat — バスドラを4分音符で踏み続けるスタイル。ウォーキングベースとの相性が抜群。

Be-Bop
1940年代、ダンス志向から離れて即興・芸術性を追求した「Be-Bop」が生まれます。ライドのパターンが複雑になり、バスドラやスネアがコンピング(即興的な合いの手)として機能するようになります。
R&B
1948年頃、ブルース・ゴスペルをベースに2・4拍のバックビートを強調した「R&B(リズム&ブルース)」が誕生。シャッフルのリズムが流行し、現代のポップスにまで影響を与え続けています。
Shuffle
8分音符を3連符ベースで表現するハネたリズム。スネアの2・4拍アクセントと組み合わさり、独特のグルーヴを生み出します。

12/8 Groove(Slow Rock)
1拍を3等分した12/8拍子で刻むスロウなグルーヴ。バラードやブルースロックでよく使われます。

現代の邦楽参考曲
Rock
1950年代、カントリーにドラムを加えた「ロカビリー」から「ロックンロール」が誕生。エレキギターとPAの普及で音量が上がり、スウィングしない直線的な8分音符が主流になっていきます。ビートルズを筆頭としたブリティッシュロックが世界を席巻しました。
Rock Groove(8th Note)
ハイハットを8分で刻み、スネアを2・4拍に置くオーソドックスなロックビート。最も基本的なパターンです。

Rock Groove(16th Note)
ハイハットを16分で刻むパターン。よりドライブ感が増し、疾走感のあるロックに使われます。

現代の邦楽参考曲
Funk / Soul
1960年代中頃に生まれたジャンル。James Brownに代表されるように、16分音符と16分シンコペーションを多用するのが最大の特徴です。グルーヴィーなパターンの宝庫。
Funk Beat 1
バスドラのパターンが複雑で、スネアとのからみが独特のグルーヴを生みます。

Funk Beat 2
よりシンコペーションを効かせたパターン。ハイハットのオープン・クローズの使い分けがポイント。

Disco Beat(4つ打ち)
ファンク・ソウルを経てディスコが流行。バスドラを4分音符で4拍すべてに踏む「Four on the floor」は現在のJ-ROCKでも頻繁に使われます。

現代の邦楽参考曲(Funk)
現代の邦楽参考曲(Disco Beat)
World
ラテン音楽をはじめ世界各地のリズムパターンをドラムセットで演奏する場合の参考例を紹介します。
Afro-Cuban
キューバのフィーリングをジャズに取り入れたスタイル。ジャズセッションで登場することも多く、ジャズドラマーは押さえておきたいパターンです。

Ska
ジャマイカ発祥のポピュラーミュージック。アップビートにくる歯切れの良いギター・ピアノのカッティングと、強調されたバックビートが特徴。日本では東京スカパラダイスオーケストラが有名です。

Reggae
同じくジャマイカ発祥。3拍目にアクセントが置かれるドラムパターンとうねるベースラインが特徴。ボブ・マーリーが代名詞。

Reggaeton
ラテンとヒップホップが融合したジャンル。シンプルなビートにスペイン語のラップが乗るスタイルで、近年の邦ロックにも多用されています。

Samba
ブラジル音楽の代表。多数のパーカッションがアンサンブルでグルーヴを生み出すため、ドラムはシンプルな16分を刻むことが多いです。ジャズでも Chick Corea の「Spain」などで使われます。

Bossa Nova
サンバをベースにジャズの影響を受けたブラジル発祥のジャンル。ジャズセッションでも頻繁に登場するので練習しておきましょう。

まとめ
ブラックミュージックの発展とともにドラムのビートパターンも進化してきました。現代の音楽はここで紹介しきれないほど多くのジャンルに細分化されていますが、それらのルーツをたどるとここで紹介したパターンに行き着くことがほとんどです。
「リズムパターンの引き出しが少ない」と感じたら、まだ触れたことのないジャンルを聴いてみてください。新しいリズムやフィーリングを体験することが、あなたのドラム演奏を次のステージへ連れて行ってくれます。