5つの原理
習慣とは
人は日常動作の繰り返しの中、多くの習慣を発達させています。
その習慣には、動作を達成しやすくする習慣もあれば、
気づかぬうちに本来したい動作の邪魔をしている習慣もあります。自分が当たり前のようにやっている行動、こうあるべきだという認識、正しいと教わったメソッドなど、それらによる無意識にしてしまう自動的な反応のことを私たちは「
習慣」と呼んでいます。
心身の不調の理由は?
例えば、肩こりや腰痛などそれらの多くの原因は「
自己の誤った使い方」によるものです。
つまり、さまざまなシチュエーションで肩の凝るような、または腰を痛めるような使い方を続けているから何度その症状を治療しても改善に向かわないのです。
つまり、さまざまなシチュエーションで肩の凝るような、または腰を痛めるような使い方を続けているから何度その症状を治療しても改善に向かわないのです。
習慣は発達するもの
幼かった子供のころを思い出してみてください。思い出せなければ身近な子供を観察してみてください。「あぁ肩が凝るわ~」とか「イテテ・・・腰が・・・」なんて言葉、あまり聞きませんよね?(笑)彼らはまだ「肩の凝るような、または腰を痛めるような習慣」を身に着けていません。だから、それらとはまだ無縁なのです。
でも小学校に上がるとどうでしょうか?
みんな机に向かって勉強します。その時正しい姿勢をしているでしょうか?恐らく集中力が切れたころ、背中は丸まり、頭とペンの位置がものすごく近づいて、そしてそれが段々当たり前になり、「何かを書くとき頭を押し下げる」という習慣を身に着けてしまいます。そのようなことの連続でさまざまな習慣を身に着け、早いころには中学生ぐらいで「肩凝ったー」なんて言い始めると思います。(※例えばの話です)
でも小学校に上がるとどうでしょうか?
みんな机に向かって勉強します。その時正しい姿勢をしているでしょうか?恐らく集中力が切れたころ、背中は丸まり、頭とペンの位置がものすごく近づいて、そしてそれが段々当たり前になり、「何かを書くとき頭を押し下げる」という習慣を身に着けてしまいます。そのようなことの連続でさまざまな習慣を身に着け、早いころには中学生ぐらいで「肩凝ったー」なんて言い始めると思います。(※例えばの話です)
特別な体の使い方をすることはありません
アレクサンダーテクニークは「新しく正しい体の使い方を身に着ける」というより「
本来の正しい使い方を思い出す」に近い作業になります。
今まで当たり前にやってきたことを一度ストップし、それに取り換えることで今までやったことのなかったような新鮮な感覚を味わうときもありますが、実はそれが本来の使い方なのです。
今まで当たり前にやってきたことを一度ストップし、それに取り換えることで今までやったことのなかったような新鮮な感覚を味わうときもありますが、実はそれが本来の使い方なのです。
気づきとは?
アレクサンダーテクニークのすべてはここから始まるといっても過言ではありません。
いかに自己観察して習慣を発見するか、それさえわかればアレクサンダーテクニークのレッスンはスムーズに進みます。
いかに自己観察して習慣を発見するか、それさえわかればアレクサンダーテクニークのレッスンはスムーズに進みます。
苦手だからとむやみに猛練習しても解決しなかったことはありませんか?
例えば楽器演奏において苦手なフレーズやテクニックがあったとします。その苦手な原因は「練習が足りないから」ではなく、
習慣的に誤った使い方をしてしまっているからです。よくない習慣は自己の使い方をより複雑にしてしまうので、その方法でいくら練習してもなかなか上達しません。
難しいと感じたらまずは自己観察
練習の正しい順序は「
難しくしてしまっている原因に気づくこと」から始まります。はじめのうちは鏡などを見ながら外面的なところを観察してみましょう。ただしあまり集中しないで風景を眺めるように。自己を観察することに慣れてきたら今度は内面的なことを見てみましょう。どういうイメージでその行動をしているのか、何をしようとしているのか、そういった「行動意識」みたいなところにも目を向けてみるのです。
思い込みや無意識にやっていることに気づけたら変わります
演奏中に良かれと思って、あるいは無意識のうちにやっていることが、実は自在な表現を妨げる不要な習慣であったりすることを認識し、何が余計なのかを知覚できる力、動きの前に抑制できる力、必要な方向を選択し自己に与えることができる感覚がレッスンで徐々に取り戻されます。心身の不要な癖を取り去り、より必要な部分を使えるようになることは動作の違いはわずかでも、力の流れにおける違いは非常に大きく、より効果的で建設的な反応、コントロールのしやすさ、柔軟な動きなど、本来の力が発揮されるのです。
自分のしていることをよく知ることで緊張のし過ぎを緩和し、身体への圧力によって起こっていた痛みを軽減し、結果としてより少ない負担でより高いレベルの演奏ができるようになります。
抑制とは
「~することをやめる」という考え方
必要のない習慣や余分な力みに気づいたらまずは一度それを止めてみましょう。アレクサンダーテクニークには「
Non-Doing」という考え方があります。アレクサンダーテクニークは「どのように行うか」よりも「
何をしないか」で本来の自然な動きを取り戻していくワークです。もうちょっとイメージしやすいように言うと
いい姿勢を保ちつづけようとするのはしんどい
ですが
よくない姿勢をしなければつらくなりません。
こういった感じです。
いい姿勢を保ちつづけようとするのはしんどい
ですが
よくない姿勢をしなければつらくなりません。
こういった感じです。
新たな使い方を覚えることはしません
人は本来いいバランスを持っていますが、それを失うような使い方を行ったまま新しいメソッドを学ぶのは苦労します。
よくない使い方を一度やめてより良い使い方に取り換えていくことでスムーズに習得できるようになります。
でも習慣ってついついやってしまいます
静止時や簡単な動作に、抑制と方向を与えることは容易でも、それを常にダイナミックで複雑な動きに機能させるのは難しいし、頭では分かっても身体はすぐに 変化しないほど、長年培ってきた間違った知覚や習慣の力は大きいものです。 アレクサンダーテクニックはシンプルゆえに簡単なものではありませんが、身につければ必ずあなたにとって良い方向へ大きな変化をもたらします。
方向づけとは?
脱力だけではうまくいきません
今まで何度か述べたように、アレクサンダーテクニックの原理には、
抑制と同時に「
方向づけ」という同時に必要な2つの柱があります。例えば脱力した方がよいということは、音楽演奏やスポーツの場面で広く知られていますが、力みを「抑制」し、力の抜けた状態だけで「方向性」がない時、音は硬く汚いものになってしまうし、幅のある豊かな音楽表現はできません。方向を与えるとはすなわち、本当に必要な身体の使い方、表現に必要な良い技術や、音楽的アイデアを自分に与えることであり、必要な方向を与えれば、よい演奏が生まれるわけです。
頭は上へ、前へ
例えば力が抜けて頭が後ろへ下へ押し下がると

このように体全体のバランスが崩れ、背中は丸まり、肩も胸の方向へ押し下げてしまいます。腰や膝にも見てわかるほど負担がかかっているように見えますね。
力を抜くだけでなく頭は上へ前へいい方向性を自身に与えると

本来の背中の長さ、広さが取り戻され、全身がバランスし、生来備わっている
「 プライマリーコントロール」が発揮されるようになります。
このように、 今までの習慣や癖を抑制し、自身に良い方向性を与えていくことでより良い使い方に取り換えていくことができるようになります。
プライマリーコントロールとは
アレクサンダーテクニークとはいわゆる「技術」という意味の「テクニック」ではなく、自身の内在していることに気づき、理解すべき「
原理」という意味の「テクニック」といえます。日常のあらゆる動作における、自由さとバランスを妨げる、無意識な心と身体のつながりにおける癖を認識し取り去れば、本来の器官や機能の完全な状態があらわれ、潜在力をより発揮できるという人間だれもが持つ原理、これを
プライマリーコントロールと言います。
緊張と緩和のバランス
人は様々な場面で、つい頑張りすぎてしまいますが、身体が貼り過ぎでもたるみ過ぎでもない最適な調律状態であるとき、音楽家と楽器の境界はなく一体となります。無駄のない動きは内に余力を蓄え、 生来の軽やかさ・制御しやすさ・しなやかさがあらわれ、幅広い表現、奏者・音楽・聴衆のつながりを感じるゆとりが生まれ、故障や疲労を最小限にとどめます。
アレクサンダーテクニークを実践するには
頭や心の中の音楽を表現するために、必要な音色や質・強弱・速度・長さ・構成などなどを、身体を複雑かつ自然に使うことによって実現してゆく道具を技術と呼びますが、
身体の余分な力みを抑制すると同時に、これらの技術・良い方向を自分に与えられる状態が、アレクサンダーテクニックの原理を使った演奏といえます。
必要なことをしているつもりが実際はしていない、必要なところを使いたくても自分で妨げている、などの状態に気づき、必要なものを如何に使うかという方向 を、自身に選択してゆけるということは技巧が内面性や自己主張と結びつき、技巧が完成されればされるほど、奏者の表現方法・表現内容の可能性が広がることになるのです。
必要なことをしているつもりが実際はしていない、必要なところを使いたくても自分で妨げている、などの状態に気づき、必要なものを如何に使うかという方向 を、自身に選択してゆけるということは技巧が内面性や自己主張と結びつき、技巧が完成されればされるほど、奏者の表現方法・表現内容の可能性が広がることになるのです。
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